美観地区から、これからの百年の豊かさを創る
行雲の大きな特徴の一つが、倉敷美観地区という日本の中でもかなり特殊な場所に本社や店舗があること。
美観地区という場所の大きな特徴は、以下の二つです。
- 江戸時代の町並みを、民間側の働きかけを契機として今も残していること
- 西洋の美術や建築、国内の民藝運動など、当時の世の中で新しい考えをとりこんで育まれていること
情緒ある町並みに加えて、進取の気性に富んで育ってきた町でもあります。
私たちも、古くからの伝統や文化を大切にしながら、それと同時に新しいものをとりいれてこれからの時代の指針となるものを生み続けることを社是としています。
ローカル × クラフト × クリエイティブ
私たちが事業を行うにあたって、私たちが指針にしていること、そして強みにしていることは、以下の三つです。

ローカル(Local)
私たちの強みでもあり、最も大事にしたい場所でもある、倉敷の美観地区。
岡山県最大の観光地である美観地区を拠点にしていることを強みとし、地元の良いところを活かしながらその価値を広く伝える事業を行っています。
『有鄰庵』では、地元の食材をつかったお食事をたくさんの方に食べていただくことを。
『暮らしの宿 てまり』では、倉敷での滞在をより心に深く刻まれる体験にすることを。
『美観堂』では、地元の資源、文化、技術が詰まったものの価値を伝え、それを作り手に還元することを。
そのようにローカルの魅力をお伝えし、そこで得られたものをまた地元に還元することを事業としています。
クラフト(Craftmanship)
大量生産と大量消費を良しとする時代は、とうに終わっています。
私たちは、古いものと新しいものをどちらも活かした商品や事業づくりをしています。
大量生産ではない、
けれどごく限られた人にしか届けられない一点モノでもない。
その間にある「高品質な中量生産」を目指しています。
美観地区にある店舗は、すべてが古民家をそのまま活用したり、リノベーションしたりして再生させたもの。
『有鄰庵』や『はれもけも』では、無農薬・無肥料で育てた地元のお米など、なるべくオーガニックな食品・メニューづくりをしています。
クリエイティブ(Creative)
行雲では、どこかのお店で日々、新しい商品やサービスを生み出しています。
そのスピードは、一般的な中小企業さんから来た方が驚くほどです。
ただ、クリエイティブというのは、商品やサービスのアイディアに限ったことではありません。
例えばスタッフの働き方や、会社としての意思決定にまで言えることです。
前例などは関係なく、その都度、個々の相手を見ながらしなやかに考え、それを商品としても会社のあり方としても形にし続けることをしています。
がちっとした計画は立てない。しなやかに考える
私たちは、がちっと作り込んだ計画を立ててそのとおりにやる、という形は採ってきていません。
例えば、3年後までの事業計画は、しっかりとは立てていません。
今の時代、ITやAIによる変化のスピードはとても早く、数年後の計画を立ててその通りに実行できることの方が難しいのではとも考えています。
その代わりに、日々新しい情報や環境の変化に敏感である必要はあります。
そうしてタイミングが整った機会が訪れたら、そのときの判断とアクションはとても速いです。
始めることよりも、改善し、続けることが大事
事業を始めることは、決してゴールではありません。
それは単なる一日目にしか過ぎず、その後に続く何年もの月日のほうがよほど大事です。
それだけ長く世の中に価値を生み出すためには、日々の改善が必要。
幅広い課題に着目し、改善のスピードを速くし、利益を生み出しながら長く続ける。
そのプロセスこそが大事だと考えています。
この5年間の事業の変遷、実績
そのようにしなやかに考え、時には人との偶然の出会いによって生み出され、またその後も必要に応じて少しの業態転換(ピボット)を行ってきた事業たちをご紹介します。
多くの新規事業について、立ち上げからそれほど時間をかけずに単月黒字化を達成できてきています。
もちろん立ち上げ前にしっかりした準備と計画を立てることも必要ですが、それ以上に立ち上げた後の改善のしなやかさとスピード感が大事だと考えています。
- 美観堂(2017年6月〜)
- はれもけも(2017年10月〜)
- 暮らしの宿 てまり(2018年6月〜)
- 焼き物・製陶事業(2019年4月〜9月)
- 地域商社事業(2019年4月〜)
- Bricole(2019年10月〜)
- はれもけも イベント出店事業(2020年12月〜2023年6月)
- 有鄰庵 岡山希少和牛店(2022年10月〜)