コロナ時代のテレビのあり方についてストレートに伝えたら爆速で対応してもらって感動した話
タイトルの通りなんですが、ローカルテレビ局で「これぞ神対応!」なことがあってめっちゃ感動したので、関係者の許可をいただいてここに書きます。
4月から決まっていた人生初のニュース番組コメンテーター
完全にコロナ一色となっている昨今。
この数年間、東京と倉敷の二拠点生活を送っていたのですが、都内に家族がいる自分は、先週から倉敷に行くのをいったんやめています。
そんな中、この4月2日(木)から、瀬戸内海放送という岡山・香川を中心としたローカル局のニュース番組『スーパーJチャンネル』にコメンテーターとして出演することが決まっていました。
ただ、その生放送の撮影収録があるのは、瀬戸内海放送の高松本社。
東京で外出自粛が要請された先週末を過ぎても、「予定通り高松から生放送をします。高松にお越しください」という話でした。
正直なところ「いやあ…、それはやめておいた方がいいのでは」と思ったんですが、自分はまだ出演もしていない身。
最初からそうした意見をストレートに伝えてしまっていいのだろうか…とも迷ったんですが、でも言った方がいいな(これで出演がなくなってもやむを得ない)を思って自分の考えをお伝えしました。
以下、長文なんですがそのままのメール文を読んでもらった方が僕の考えは伝わると思うので、ここに貼っておきます。
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お世話になっております。
有鄰の犬養です。
度々すみません。
木曜日の出演のことで、やはりお伝えしておいた方がいいかと思うことがあり、メールさせていただきます。
本日の●●さんからのメールとお電話で、僕も「では出演はしようか」とも思ったのですが、やはり強く気にかかる点があります。
この4月からコメンテーターとしてお声がけいただき、実際に出演する前からいろいろと意見をお伝えすることになって恐縮なのですが、一番はKSBさんと高松などの地域のためにお伝えしていると思っていただけるとありがたいです。
まず、そもそものテレビや報道のあり方の話になってしまいますが、新型コロナウイルスの特性や感染経路が分かっている今、スタジオでアナウンサーとコメンテーターが並んで話すということがコロナウイルスに対しての警戒の弱さを表してしまっていると感じます。
特に僕は「東京から来た=KSBさんが僕を呼んだ」ということも明示して話すことになります。
●●さんは「東京と岡山・香川の違いを話していただければ」とおっしゃっていたのですが、まず東京から高松のスタジオに呼んできているということが、とてもネガティブに受け取られる可能性が高いのではないでしょうか。
また僕自身も倉敷と自社については感染拡大のリスクを減らすために行かないようにしている中で、それでも高松には行くということも、高松を軽んじているような行動になるのではと思います。
倉敷や高松の一般的な方々と比べて、東京にいる自分の方が、感染者である可能性がよほど高いからです。
高松にお住まいの方で、正しく事態を理解されている方が見ても、「なんでこのタイミングでKSBは東京から高松に人を呼ぶのか」となるでしょうし、僕自身もそうした意見に対して胸を張れる返答ができません。
実際、●●さんが挙げられていた体温計測などのチェックも、これを当日にやっても全く意味がないことはKSBの皆さんもお分かりなのではと思います。
特にテレビの番組を見る目としては、最近の安倍首相の会見、今夜の小池都知事の会見と、どちらも「3密を禁止する側が3密をやっている」という点ではネガティブに受け取られています。
それに比べると、海外の首脳は発表をする際にも記者を集めるのではなく、
オンラインでの配信を心がけていることが多いです。
逆に言えば、KSBさんがニュース番組にコメンテーターを立てるにしても、
この状況に柔軟に対応して、例えばコメンテーターはオンライン出演などにすれば、むしろこのウィズコロナ時代にも素早く対応しているテレビ局の姿勢として見せられるのではないでしょうか。
もちろんスタジオでの会話のやり取りとは少し違う部分もあるかもしれませんが、それはこの状況では最優先すべきことではないような気がします。
僕ももちろんスタジオでお話すること自体も楽しみにしていましたが、
この状況を見ると、KSBさんのためにもちょっと考えた方がいいのではと思い、意見を申し上げました。
ご一考いただけると幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
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KSB(瀬戸内海放送)さん、爆速の対応
このメールを送ったのが、2020年3月30日(月)23:37でした。
で、翌朝、3月31日(火)9:24にこのメールをいただきました。
おはようございます。KSB瀬戸内海放送の●●です。
ご懸念の点、たしかにそうですね。
オンライン出演が可能かどうか、弊社としていま一度検討したく存じます。
少しばかりお時間をいただけないでしょうか。
本日午後の早いうちにご返事するようにいたします。
よろしくお願い申し上げます。
取り急ぎご返信まで。
この時点で、返信の速さと、なにより僕の意見を受け止めてくださったことに、まず感動していました。
そしてそのわずか2時間後、オンラインでの出演でOKというお電話をいただきました。
……すごくないですか!?
ヤフーもびっくりの爆速ぶりに、こんなご対応をしていただけるのかと感動したんですよね。
この番組にお役に立てるように頑張ろう
こんな対応をしていただいたら、「この番組にお役に立てるように頑張らねば」と思いますよね。
ローカルテレビ局のコメンテーターという仕事、もともとは自分自身が勉強になると思ってお受けしたところが大きいです。
やっぱりテレビという媒体で話すからには、社会の出来事についてこれまで以上に学んで臨む必要がありますし、短い尺の中でどれだけ話せるかという部分も磨けないかと思ったのもあります。
ただそれに加えてこんなに迅速で柔軟な対応をしていただけたら、こちらも「この番組をよくするために」という気持ちがより強く芽生えますよね。
これは知人にだけ「いい話じゃね?すごくね?」と話そうかと思っていたんですが、よりたくさんの人に「瀬戸内海放送すごくね?」と思っていただきたくて、関係者(●●さん)の許可をいただいて書くことにしました。
明日の初回放送、どんな感じにできるか分かりませんが、がんばります。