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【美観堂】「岡山のものしか取り扱わない」私たちのお店が目指すこと

倉敷美観地区の夕暮れ・マジックアワー

こんにちは。
岡山県倉敷の美観地区でお店をやっている『美観堂』の犬養といいます。

今回は改めてなのですが、私たちがなぜ『美観堂』というお店をやっているのかという話をさせてもらいたいと思います。
『美観堂』の自己紹介です。

はじまりは2016年。美観地区で

私たちはもともと、倉敷の美観地区を拠点にゲストハウスなどをやっていた会社です。

美観地区、ご存知でしょうか?
江戸時代の町並みが今も残る、私たちも大好きな場所です。
これを読んでくださっている方も、いつかいらしてください。

倉敷美観地区の夕暮れマジックアワーの町並み

倉敷美観地区の倉敷川と川舟流し

私たちの会社は、今でこそお店がだいぶ増えてきましたが、当時はまだ以下の二つのお店しかありませんでした。

・古民家ゲストハウス&カフェ『有鄰庵
・一棟貸しのリノベーション古民家宿『Barbizon

当時から、「地元のために」という根底の思いは変わらずあります。
ゲストハウスでは、旅人に地域の魅力を直にお伝えし、カフェでは、岡山の食材を活かしたメニューを提供していました。

そんなとき、2016年に『有鄰庵』の隣の古民家が空くことになり、管理会社さんから「ここを使ってみないか」とお声がけいただいたのです。

「岡山のものしか取り扱わない」お店を

倉敷美観地区の町並み

『有鄰庵』のお隣でお店をするとしたら、何をしようか。
何をするべきか。
考えました。

当時、ゲストハウスやカフェをやっていて、地域との関わりもだいぶ増えてきていました。

ただ、ゲストハウスのすべてのお客様が私たちの地元をたくさん回ってくれるわけではありませんし、カフェの食材も100%すべて岡山産にすることは現実問題として難しいものです。

そんな中で「もっとダイレクトに地元に貢献できる事業がないか」と考えたのが、「岡山のものしか取り扱わない」というお店でした。

そういうルールを自分たちの中で決めてしまえば、その売上の全てを私たちが大好きな地元である岡山県内に還元できます。

お店の名前は、『美観堂』としました。

「岡山・倉敷のほんとうにいいものを」

岡山パクチー大使の農家・植田輝義さん

『美観堂』のコンセプトは、「岡山・倉敷のほんとうにいいものを」。

「ほんとうにいいもの」としてセレクトさせてもらう際に、大きく三点、大事にしたいと決めたことがありました。

・作り手の方にしっかりお会いして、お話をうかがうこと
・自分たちが「いい」と思ったもののみを取り扱うこと
・人柄的にも自分たちが素敵だと感じる方の作品を取り扱うこと

ハーブティー農家夢百姓のご夫婦

「岡山にあるお店が岡山のもののみを取り扱う」という場合、最も特徴的なのは作り手との物理的な距離が近い、ということです。

北海道にわざわざ仕入れに行くわけではない。
であれば、作り手の方ともちゃんとお会いする、作り手との距離が近いお店にしたい。

そうすることで、「この商品はほんとうにいい」を胸を張ってお伝えすることができるのではないか、と考えました。

『美観堂』が目指すもの

hinoki lab(ヒノキラボ)の近藤夫妻

岡山県は、海も山もあり、とても広い県です。

その中の倉敷も、美観地区だけでなく、国産デニムで有名な児島や、タコが美味しい下津井。
さらに野菜や果物を作られている畑もたくさんあり、倉敷だけでも多様な顔があります。

岡山マイルドパクチーの作業風景

そんな岡山や倉敷には、そこに住んでいる私たちも「よし、行こう」と思い立って足を運んでみないと見つからないものがたくさんあります。

でも、知られていないだけで、「いいもの」はたくさんあるんです。
(そしてそれはどの都道府県でも同じだと思います)

その「いいもの」を、たくさんの人に知っていただくこと。
場合によっては、それを私たちがリデザインしたり新たな商品企画の提案をしたりすることで、より多くの人に響く商品にすること。

私たちがそうした役割を担うことで、大好きな地元である岡山県内の生産者、メーカー、職人の方々にリターンを還元することを目指しています。

観光地・美観地区のお店に思うこと

倉敷美観地区の町並み

美観地区で「岡山のものしか取り扱わない」ことをルールにしたことを裏返せば、まだまだ岡山以外のものを取り扱っているお店が多い、ということでもあります。

岡山県内で最大の観光地である美観地区。
そこに来ていただいたからには、僕は岡山ならではのものに触れてほしいと思っています。

倉敷春宵あかりの和傘ライトアップ

ただ、他県や海外で生産されたものを販売しているお店も、それを購入される消費者も多いのが現実。

僕が特に気になっていたのは、せっかく岡山の観光地に来てくれた方が落とすお金も、それだと県外に流出してしまっている、ということです。
それは地元を豊かにするのではなく、単に売り手のみが儲けている商売なのではないか、と。

でも、消費者(観光客)のことを責めたいとは思いません。

それであれば、岡山のものだけを集めても「このお店なら買いたい」と思ってもらえるようなショップを作ろう。
そこで買ってもらう方を増やせば、その分をそのまま地元に還元できる。

そういうお店を目指しているのが『美観堂』です。

『美観堂』のロゴについて

ライフスタイルショップ『美観堂』ロゴ

少し話が逸れます。

僕(犬養)は、お店やプロジェクトを始めるときに、コンセプトとネーミングを決めたら、まずロゴを制作します。

ネーミングとあわせて、ビジュアライズされたロゴがあることで、まだ形のないモノでもチーム全体が同じ方向に進める方位磁針になるからです。
(そして何よりかっこいいロゴがあると気分が高まる!)

この『美観堂』のロゴは、岡山県内で僕が最も優れた(そして好きな)デザイナーだと思っている、nottuoの鈴木さんにお願いしました。

ライフスタイルショップ『美観堂』ロゴ

僕が考えを伝えて、鈴木さんが作ってくれたのが、このロゴ。
『BIKANDO』に含まれる「DO」という言葉をモチーフに、「D」と「O」の文字を組み合わせたデザインです。

『美観堂』の商品を選ぶことが、お客様の「豊かな暮らし」へと繋がる。
そんな能動的なアクション(DO)を促す場としての美観堂を目指したロゴです。

もちろんオープン以来とても愛着をもって使っていますし、ずっと使うことに耐えうる、力強くて美しなロゴができたと思っています。

2017年にオープン

美観堂オープニングパーティ

そうして、『美観堂 美観地区本店』は2017年のゴールデンウィークにプレオープン、6月に本格オープンしました。

それ以来、お店を愛してくれるスタッフにも恵まれ、ここまでやってこれています。
2019年7月には、岡山県外で初めての常設店となる『美観堂 吉祥寺店』もできました。

美観堂吉祥寺店オープン時

私たちのミッションは「岡山・倉敷のほんとうにいいものを多くの人に届け、そのリターンを地元に還元する」こと。
販売するチャネルが増えるのは、それだけたくさんの人に届けられるということなので、とても嬉しいことです。

今では、私たちのオリジナル商品をBtoBで小売店さんや飲食店さんに卸す地域商社事業も行っています。

なぜ『美観堂』という店名にしたのか

美観堂スタッフ集合写真

最後に。
『美観堂』という名前を名乗ることには、最初は悩みました。

私たちの会社は2011年にできた、言ってみればまだまだ若輩者。

そんな私たちが歴史ある美観地区の中で「美観」という名前の入った店名を名乗っていいものだろうか。
他の伝統あるお店をされている方々から、何か思われないだろうか。

倉敷美観地区の大原美術館

ただ、美観地区がこれからも美しい町並みを保ち、住む人も流出せずに今の暮らしを続けていくには、私たちの世代がやらなければいいけない。

先代たちと同じぐらい、いやそれ以上に頑張り、自分たちがこの美観地区をこれから支えていかなければいけない、とも思うのです。

そうした考えから、あえてこの重みのある言葉を店名に冠することにしました。

この『美観堂』という名前には、私たちの決意表明が含まれています。

美観堂美観地区本店の外観

ここまで読んでくださってありがとうございました。

私たちのオンラインショップです。
「岡山・倉敷のほんとうにいいもの」をぜひ見つけてみてください。

美観堂 | 岡山・倉敷の「いいもの」をお届けする通販https://bikando.jp/

この記事を書いた人

犬養 拓

母方が倉敷の町にゆかりの深い大原家ということもあり、愛着のある倉敷のために、広告代理店で培った知見と経験を生かして2015年1月より有鄰庵に加わり、2016年7月に代表に就任。 スタッフからは「ワンさん」「ワンちゃん」と呼ばれています。 行雲の企業理念である「心の豊かな暮らしを創る」ことを目指す。 好きなものはリラックマ。