スタッフインタビュー
山下妃菜 2年後の第2回（はれもけも社員パティシエ）※退職済

全然、予想できていませんでした（笑）
パティシエ職として入社したので、当時は「3年目には『はれもけも』のスイーツを全部作れるようになっていればいいな」と思っていました。

しかし気づけば、製造のほかに店舗のマネジメント業務まで…！
自分でもびっくりです。

お菓子の専門学校を出ているので、友達もパティシエの子が多いのですが、その子たちと比べると全然違うな、とは思います。

例えば、岡山の大きなケーキ屋さんで働いている友達がいるのですが、そこだと「2年目になったらこれを任せる、3年目になったら次はこれ…」という感じで、入社歴を重ねるにつれて担当する役割は増えていくのですが、でもだいたい製造という業務範囲の中に留まるんですよね。

私も当初、そういう感じでやっていくのかなと思っていたので、こうして3年目でお店のことについて考える立場になっているとは、全然予想していませんでした。

『はれもけも』の2号店がオープンしたのがきっかけですかね。
入社して1年目の夏に、さんすて岡山に2号店ができたんですけど、その時の『はれもけも』って、私とちゃいさん、まみさん、というとても少ない人数でやっていたんです。

その中で、2号店の店長をされていたちゃいさんがご自分のチョコレート店にシフトしていくことが決まり、1年目の終わりに私がさんすて店の店長をやってみよう、という流れになりました。

ほんと、気づいたら全部を見るようになっていた、という感じですね（笑）
でも今こうして振り返ってみると、 自分的には今のスタイルが合ってるなって思います。

製造に一本でがっつり集中するっていうよりかは、製造もするし、全体も見るし。
いろいろできる方が、自分的にバランスが取れている気がします。

うーん…。（記憶をたどってくれるおひなちゃん）
その時期より前に、入社のすぐ後に一個あって。

入社して半年も経ってないくらいの時に、中途のパティシエが3名入ってきてくれたんですね。
全員年上で、パティシエの経験もある方ばかりで。

そのとき私は、販売のことやお店のことが一通りわかってきたぐらいの段階だったので、「これをこうしたらいいですよ」って教えていたんですけれど、それがめっちゃプレッシャーで。

そうなんですよ。
で、1回めっちゃ多分自分の中で限界がきて、まみさんに向かって大号泣したんです（笑）！

そこから逆にというか、何でも話せるようになりました。

そうですね。
仲も良くて、ある程度話せる先輩、話してもいい先輩なんだと言うのは思っていたんですけれど、あんまり負担になっちゃいけないな、と思っていたところもありました。

でも「無理だーー！」と思って伝えたら、それを受け止めてくれて。
「あ、弱いところを出しても大丈夫なんだ」と思えました。

そうですね、この時が一番限界だったなって思います。

それ以来、意外と限界って思うことがあまりないというか、なんでなんですかね（笑）
むしろ楽観的になりすぎちゃって、まみさんが「限界〜！」って言うときに「どうにかなりますよ」って伝えています（笑）

そうですね、余裕では全然ないですけれど、もちろん（笑）

普通にいっぱいいっぱいな時はありますけど、なんとなくメンタル的には「どうにかなるやろ精神」が割とあるかもって思いますね。

多分そうですね。
あんまり自覚はないですけれど、それこそ「まみさんに話せる」って自分の中でわかって、まみさんはその上のちゃいさんに私のことを話してくれるので、「ちゃいさんにも自分のことを話せる」ってわかって。

あと、普通の会社って社長と気軽に話せないじゃないですか。
でも、さんすて店の店長としての仕事をし始めるうちに、「わんさん（代表）と話したい！」って思ったら時間を必ず作ってくれて。

気になることも訊けばすぐに応えてくれる環境なんだっていうのがわかるようになったのも大きかったと思います。

そうですね、3分考えてわからなかったら訊くようになりました！

店長として、最初は考えても何も思いつかないことが多かったので、素直に「わからないので教えてください」って訊いてましたね。

徐々に色々なことを理解し始めてからは、社内のSlackで過去のやり取りを探して、それを踏まえて質問をするようになりましたが、それでも5分とか悩むようならわんさんに訊いています。

わんさんと話しながらの方が、物事の方向性を早く掴めるというか…。
そういうこともあり、一人で長く悩むことはなくなりました。

ちなみにわんさんって、最終の答えはすぐに教えてくれないですよね（笑）？

解決の過程を一緒に考えてくださって、次に私が同じような状況になったときは、ある程度一人で解決できるような導き方をしてくれてる気がします。

なので記憶に残りやすいし、導いてくださった末に自分で答えに辿り着くから、自分自身の達成感みたいなものもあるんですよね。

そうですね。
話せる人が周りにいる、という事実が積み重なっていって、わたしも今は「どうにかなるやろ！」っていうメンタルになっているような気がします。

いや、めっちゃ迷っていました。

それこそ、さんすて店の店長もやり始めたとはいえ、やはりメインはパティシエで現場職なので。
結婚して山口で一緒に住むとなったら、今の仕事は辞めるしかないなと思っていました。

で、まみさんに「プロポーズされたんですよね！」って言ったら、喜んでくれたあとに「え？ここの仕事は？」って言われて（笑）

「はれもけもはどうするん、わんさんに言おう！！」って、速攻わんさんにオンラインで繋いでもらえる時間を探して、その日にまみさんと3人で話しました。

その時、私的には結婚もしたいって思うけれど、もうちょっと仕事もしたいなっていう思いもあって、めっちゃ葛藤があったんですよね。

それをわんさんに話したら、その場ですぐ「じゃあ、月の半分くらいは山口でリモートワークしてみたら？」って。

そうですね。

「さんすて店の仕事もできる幅が増えてきたし、もう少し他に担当できる仕事を増やしたら、おひながリモートでもできる仕事が増えるんじゃない？」という働き方の提案をしてもらいました。

そうですね、周りの友達とかにも「結婚して、半分リモートワークするんよね」と言ったら、「え、パティシエよね？」と驚かれました。

確かに、なかなかない働き方ですね（笑）

最初は、完全に山口で一緒に住むという頭だったと思うんですけど、「会社に相談してこういうふうに言ってもらった」と伝えたら、「あ、いいんちゃう」みたいな。

彼は一人の時間もだいぶ大事な人なんですよ。
一人で自分のために100%使える時間も大事、という考え方で、一人で行動できるタイプ。
なので、月の半分くらい自分の時間があるっていうのが、むしろ心地よいのかもしれないですね。

そうですね、そうかなと思います！

あ、これ、結構最近の話で。マジで本当に最近の話です（笑）
3月とかだったと思います（インタビュー時は6月上旬）。

そうですね（笑）「なんとかなるやろ」精神とはいいつつ、旦那さんと一緒に住み始めてから今後についてトークをする時間が増えて。

結婚して1年目は自分らのためにお金を使って遊ぼう、その後は将来的には子どもも欲しいよね、と。
そうなった時に、「自分のためにフルで使える時間って、そんなに長くないかもな」って思ったんです。

いまの仕事の中でもそうなんですけど、私、色々やりたいなって思ってて。

いろんなことをやりたい中でパティシエという仕事を選んで、そして行雲という会社の中で販売の仕事をやったり、数字を見て考えるみたいな仕事もやってきているんですけど、「他のお店も見てみたいな」という思いが出てきたんですよね。

それこそ、彼って転勤族なので必ずまた引っ越すんですよ。
なので、せっかく山口に住んでいるなら山口で働くっていうのも、それはそれで面白いかなあという思いがあって。

毎日、この瞬間が一番若いじゃないですか。
だからせっかくならやってみるのもありかな、という思いが結構ありました。

いや、ネガティブなことが全くないというわけでもなく（笑）

わたし、リモートワークは向いていないなって思ったんですよ。
パソコンに向かうのが嫌なんじゃなくて、一人の空間でそこに向かって作業するのが嫌、というものなんですけど。

というのもあって、ちょっとリモートワークも辞めたい、でも旦那さんと住もうってなると、山口で仕事を探すっていうのが一番まるく収まるかなと思って、わんさんに「辞めたい」って言いました。

わんさんに話したとき、「ここで働きたいんですよね」っていうお店も持って行ったんですよね、もう決めていたので。
わんさんには、「そこの面接に受かったら（辞めても）いいよ」と言われました。

だからわたし、履歴書も買ったんですよ！！！（急に語気が荒くなるおひなちゃん笑）
でも結局、未開封です。
書いていないし、行こうと思っていたところには連絡もとっていません。

「辞めたい」っていう話をした一週間後くらいに、わんさんから長文のDMがきて。

結論、「おひながいま置かれている状況がこうで、おひなのタイプを考えると、客観的にみて今は辞めない方がいいと思う」って言われたんですよね。

はい。
わたし的に、終わりが見えないのがあまり得意じゃないというのもあると思うんですけど、「あと少しで辞める！」と心で決めてから、割とぱぱっと物事がスムーズに進むようになって。

いろんな人に指示を出したりアドバイスを言えたりしているのをみて、「やっぱりおひなは辞めん方がいいと思う。この一週間の感じを見ていると、そう思う」って言われました。

あとは、「他の会社に行くことで新しい経験もあるけれど、行雲の中でも新しいことができるのもわかっていると思う。入社して3年目でこれくらいのこと（店舗統括など）ができるのは、なかなか普通の会社ではないと思うし、今から新しいところに入るってなったら、それはとても難しいから、おひなのことを考えるとやめておいた方がいいと思う」ということも伝えてもらいました。

私はそれもわかった上で、自分の中で転職を決めていたつもりだったんですけれど、「そこまでわんさんに言われたら、どうしよう…」と揺らいで（笑）。

選択肢が多すぎて、何を選んだら良いのかわからなくなって、コミュニケーションミーティングの終わりに、社歴の長い先輩たちに相談しました。

どっちの意見ももらいました。
「このまま働き続けるのもいいと思うよ」という意見もあれば、例えばたまちゃんさんには「おひなの気持ちめっちゃわかる！」とも言ってもらいました。

たまちゃんさんも色々転職していて、「今くらいの年齢でいろんなところで働いてみたいっていう気持ちもめっちゃわかるし、それはそれで大切だと思うよ」みたいな話をしてくれて。

改めて、もう一回ちょっと考えてみようってなりましたね。

彼はほんと、当初相談したときから、私の好きにしたらいいよという感じだったんですけれど、「ここまで言ってくれる会社ってなかなかないから、それだけは忘れんといた方がいいんじゃない」と言われて、確かにそうやなって思いました。

そうですね、結局、最終的に自分で何かをめっちゃ思ったっていうよりかは、なんとなく「今はこれを考えなくてもいいかな」っていうマインドになったんです。

それこそたぶん、話したことで割と気が晴れた…というか、ちょっと良いのか悪いのかわかんないですけど、どうでもよくなって（笑）
「割と今すぐこれについて考えなくても良いかも」、って思うようになりました。

そうですね、大きかったかもですね。

その後、リモートの場所を変えてみるとか色々やってみて、自分的に話してちょっとどうでもよくなった感もあるのか、「リモートとか嫌だな」「めっちゃ憂鬱」とかはあまり思わなくなりました。

カフェというか、山口のコワーキングスペースで働いていることが多いです。

私が行っているのが県庁の中で、無料でwi-fiが使えて給湯器があって、お茶と紅茶とお水はご自由にどうぞみたいな。
割と設備のいいところが、探せばあるんやなって思いました。

うーん、行雲に向いている人かあ…（20秒くらい考えてくれるおひなちゃん）。
そうですねえ、“ 割と誰とでも話せる人 ” な気がします。

行雲ってやっぱりみんな仲がいいので、その輪に溶け込めると結局なんでも早いかなって。
話せると楽って思うし、自分自身もストレスなく働けると思うし、一緒に働く側としても話してくれた方がいいです。

そうですね。
私もまみさんに話せなかった時があったけれど、「いや、おひな話して！」って言われたあの時の気持ちがめっちゃわかります（笑）
今はスタッフにお願いをする立場に回ることが多いこともあって、話してくれないとわからないこともあるし、余計にそう思いますね。

もちろん、こっちも「なんでも話せる！」って思ってもらえるように頑張るけれど、本人自身が話せる能力を持っている方が自分自身も楽だし、一緒に働く人たちも楽に働けるし、それが一番いいなと思います。

そうですね…徐々になっていってると思いたいです（笑）！