※このインタビュー後、クミさんは『然味-sami-』に部署移動をされています。
このインタビューは2023年3月に実施したものです。
スタッフのご紹介ページ、ここでは『カフェ有鄰庵』の店長を勤める、クミさんを紹介します。
最初はアルバイトとして、2021年12月に『行雲』に入社してくださったクミさん。
そこから半年で正社員になり、今や『カフェ有鄰庵』に欠かせないリーダー的存在となっています！
聞き手は、行雲のライティング業務を担当している、久保がさせてもらいます。
私は2021年から岐阜で完全リモートワーク中のため、オンラインでお話を聞きました！
クミさんは私の引っ越し後に入社されたため、きちんとお話をするのは、これが初めて。
楽しみです、よろしくお願いします〜！
クミさんの主な仕事
- 『カフェ有鄰庵』の現場リーダー
※夏場はご実家のいちじく農園をお手伝いするため、週2〜3日ペースで出勤されています
※ただそのご実家のいちじく農園も、2023年限りで廃業が決まったそうです
思っていた通り、思っていた以上の職場です
こんにちは！
昨年の忘年会で一度お会いしたぶりなので、ほぼ初めましてですよね（笑）
お話できるのを楽しみにしていました、よろしくお願いします！
そうですよね、しっかり話すのは初めてですよね。
なんかすみません、PCが致命的に苦手でして…！
（オンラインでのインタビュー設定をとっても頑張ってくださったクミさん）
いえいえ、おかげで私の緊張もほぐれました◎
クミさんは、2021年の冬に入社してくださいましたよね。
そもそもどのようなきっかけで応募してくださったのか、初めに訊かせてもらえますか？
そうですね、有鄰庵で働こうと思ったきっかけは…。
あ！もともとパン職人なんですけど、わたし。
え、そうなんですね！（びっくり）
一つ前の職場が伊勢にあるパン屋さんで。
あまりにも働きすぎて身体を壊してしまい、岡山の実家に戻ってきていたんですよね。
その後、家業のいちじく農園をぼちぼち手伝っていたんですけれど、「そろそろ自分で本格的にパン屋をやりたい！」というくらい元気になってきて、そのための準備というかお金的なものを集めるために、バイト探しをはじめました。
そこで見つけられたのが、『カフェ有鄰庵』の求人だったんですね。
入社前にホームページもしっかり読んでいてくださったと聞きました！
さすがですね、リサーチの鬼ですね（笑）
いえいえ、内通者がいるもので（事前にわんさん（代表）に聞いただけ）。笑
そうですね、その際にホームページを見させてもらいました。
その時に、わんさんの言葉で「地域に最も貢献できる企業を目指す」とか「心の豊かな暮らし」というのがあって。
あ、企業理念のことですね！
それに関して、「こんなことを考える人が岡山にいるんだ！」ということにびっくりして。
旧態依然とした社会論とは全然違うことが書かれてあったので、「岡山でもこんな風に考えて会社をやっている人がいるんだ」っていうことにまず興味を持って、応募させてもらいました。
後から考えたら、わんさんは岡山で育った人ではなかったんですけどね（笑）
東京生まれ東京育ちですね（笑）
そこから入社された後、ホームページで書かれていたこととのギャップなどはありましたか？
ほぼ想像通りです。
思った通りというか、正直思った以上のところもありました。
まず、『カフェ有鄰庵』に勤めて思ったのは、本当に人がいい。
人がいいし、楽しく働いているし、あとチーム感がある職場が元々すごく好きなので、そういうところも「あ〜、すごいいいな」って思いました。
なるほど。
カフェでチーム感がある、というのは具体的にどのような場面で感じるんですか？
主にコミュニケーション面ですかね。
声を掛け合ったり、フォローしあったり、一日の終わりに振り返って改善点を検討し「よりよいお店にしよう！」という気持ちがみんなあるということ、そして良いところは讃えあう。
そういうところですかね。
うんうん。
Slack（行雲で使用しているビジネス用のコミュニケーションツール）での『毎日の報告』を見ていても思いますが、カフェはコミュニケーションがとっても溌剌としていながら、締めるところは締めるという感じで、メリハリがあって素敵だなあと思います。
ちなみに、カフェのスタッフはクミさんよりも年齢層が低めですが、やりづらさや難しさは感じませんか？
全然大丈夫です！
私、大学卒業後に初めて飲食のアルバイトをしてから、飲食にハマってしまって。
自分がつくったものを提供してお客さまに喜んでいただいた時とか、「ありがとう」っていう笑顔とか、そういうものにいちいちキュンキュンするんです。
普通50歳でカフェで働くことはあまりないかと思うんですけど、私は飲食が大好きなので。
若い子ばっかりですけど、みんな人がいいし、何の違和感もなく楽しく働いています！
わんさんにめっちゃ興味があって、お話の場をセッティングしてもらいました
ちなみに入社後、Slackなどのやり取りを見て、「わんさんと話してみたい！」と思われたことがあると伺ったんですが。
それはどのようなところを見て思われたのですか？
ふふふ、情報の出どころがわかりました（笑）
そうなんです。
もともとホームページでわんさんの言ってることに興味があって『有鄰庵』を受けたっていうのもあるんですけど、実際会社に入ってSlackのやりとりとかを見ていて、「ああ、すごいこの人、こんなこと言うんだ〜」と言うことが結構あって。
お、「こんなこと言うんだ〜！」と言うのは具体的にどういったことですか？
えっとですねえ…結構前のことで具体的には思い出せないんですけれど、まずスタッフに近いというかコミュニケーションが密というか、そこにまず驚きました。
いちアルバイトと代表とか、なかなかコミュニケーションしづらいじゃないですか。
それでもSlackという手段で密にされていたり、スタッフの立場に立って言動されているところが垣間見れたり。
あと、最初に「こんなこと言う人がいるんだ！」思ったような企業理念的なお話で共感できるところもあって。
そういうところがSlackで見れたので、「ちょっとめっちゃ興味あります！」と、お話が聞きたくなりました。
なるほど。
お話を聞きたいという思いは、わんさんに直接伝えられたんですか？
いえ、そういう風にお願いする機会がなくて。
当時の先輩だったゆうぼーに、「わんさんにめっちゃ興味あるんですよね」と言ったら、「じゃあ私、セッティングしますよ！」って言ってくれて実現しました。
でも、今までSlackを見ているばかりであまり話したことなかったのに、いきなり代表とマンツーマンとかちょっと痺れるじゃないですか。
あんまりちゃんと話したことはなかったんですね。
ゆうぼーに「セッティングはありがたいけど、ちょっと難しいかも…！」みたいなふうに話したら、「わかった！じゃあなるだけ自然にね！」って。
可愛い！ゆうぼーちゃん、「なるだけ自然にね」ってどういうこと（笑）
そうなんです。
「なるだけ自然にってどういうこと？」って思ってたら、ある日キッチンで作業していた時に、わんさんがパソコンを持っていらっしゃって。
「なんかクミくん、話がしたいって聞いたんだけれども」という感じで（笑）
どこが自然やねん（笑）
（久保は大阪出身で、時々強めのツッコミがでます）
そうそう（笑）
「ちょっとナチュラルじゃないとだめっていう話だったから、僕ここ（キッチン）で仕事してるから、何かあったら話しかけてよ」みたいに言われて（笑）
その時に、つとつととお話をしました。
幼少期のわんさんのお話が、いちばん印象に残っています
その時は、どんなお話をしたんですか？
ほぼほぼ、わんさんの「人となり」を伺いました。
その中で、「こういう人だから、ああいうことを言うんだな」とか「こういうことがあったから、ああいう風な考えなんだ」ってことがだんだん理解できて、「やっぱり面白い方だな」っていうそういう時間でしたね。
うんうん。
「人となり」というのは、どのような感じのことを訊かれたんですか？
もう、めっちゃ色々訊いたんですよ！（すこし勢いを増すクミさん）
どういうことがあって、今のわんさんになっているのかが知りたくて。
前のお仕事のことや行雲の社長になった経緯、興味があることとか…。
あ、これは私から質問したわけではないですが、話の流れから子どもの頃のことも伺いました。
その中で、印象に残っていることはありますか？
うーん、何個かありますけれど、「わんさんって苦手なことなんてあるんですか？」と伺ったときの話ですかね。
わんさん、ご自分でも仰ってますけれども『HSP（Highly Sensitive Person：非常に敏感な人のこと）』で、幼少期の方がかなり顕著に出られていたみたいなんですね。
あ、私も昨日たまたまわんさんが書いてらしたブログを読んで、HSPなことを知りました。
大人になるにつれて、自分もそれに対応することができ始めて…ということを仰っていたんですけれども。
子どもの頃はかなりしんどかったみたいで、「集団行動が苦手。小学校の時はキツくって、中学ぐらいはギリギリでしたよ」みたいな話をされて。
その話を聞いて、子どものころキツいっていう思いをされながらも、自分がハッピーになるためにはどうすればいいのかを、色々考えながらやってこられたんだなあと。
（黙って耳を傾ける）
わんさん、「今の自分が幸せって公言できる」って言ってらっしゃって。
いま自分が幸せだって思える生活、もしくは居場所っていうのを頑張って…頑張るという表現は違うかもですが、そういう場所を手に入れたんだと思うと、その時の小さいわんさんに感情移入して、よく頑張ったね、みたいな気持ちになりました。
そのお話が、一番印象に残っていますね。
（黙って耳を傾ける）
今までの職場よりも、みんなのためにという気持ちを感じる
全然話違うんですけれど、クミさんって普段みんなとタメ口で話されますか？
そうですね、ほぼほぼ。
では、ここからはタメ口でいいですか？
ちょっと距離を縮めていければなと思います（笑）
素敵、はい！（笑）
最初のお話にちょっと戻るんですけど、クミさんって飲食にハマってから飲食一筋で働いてこられたんよね？
全国各地のいろんなお店で働いてこられて、今までのところと行雲の違いって感じますか？
※敬語とタメ口が折り混ざる久保（笑）
インタビュー時は、結局最後まで混ざっていましたが、読みにくいのでここからタメ口に統一します。
うん、感じる。
特に昔の調理関係の場って、本当に上下の関係が厳しくて。
普通に手も足も出るし、もう毎日ピリッピリ。
シェフの機嫌次第では天国にも地獄にもなるみたいな。
毎日ドキドキだ…！
そういうところが本当に多くて。
修行というか、技術を習得するために働いているっていう側面が強かったから、人間関係やスタッフの働き方以前に、「とりあえず自分のスキルを積む」っていうのに心を砕いていたかな。
もちろんチーム感というのはあったけれど、行雲でのチーム感とはまた違って。
当時は、「みんなで支えあってしんどい職場を乗り切ろう」っていう、チーム感だったの。
なるほど、「自分の技術を積むために働く」という思いが一番前にあると、そのような環境でも頑張る原動力になるのかな（私には未知の世界すぎてドキドキ）。
だから行雲は全然違うなって思う。
技術とかスキルではなく、人との関係というか、スタッフ同士の関係も大事にするし。
仕事に対しての向き合い方っていうのも、もちろん違う。
仕事に対しての向き合い方…？
自分のスキルを積むってことは、やっぱり利己的な部分があるわけよね。
自分のためにやっているから。
そういう感じではなく、行雲は「みんなのために頑張ろうよ！」という雰囲気があって、それがこれまでと全く違うと感じるな。
なるほど、そのチーム感はわたしも大好き！
ちなみに、この会社の『IQより愛嬌』っていう言葉もとてもいいよね。
私、採用面接でこの言葉が壁に貼られているのを見て、思わずメモしたもん（笑）
え、それ初めて聞いたかも（笑）
あれ、ほんとに！？
確か蔵の2階の壁に貼ってあったと思うよ、今度ぜひ確認してみて（笑）
「スタッフの私生活も想像してみよう」、その言葉にびっくり
そして今や、『カフェ有鄰庵』にとって欠かせない存在のクミさん。
社員になってからはチーフミーティングにも参加してくれているよね。
わんさんとやりとりする機会もグッと増えたと思うけれど、改めていまのクミさんにとって、わんさんはどういう人に見えているかな？
まず、わんさんがどうっていうよりも、「会社の経営者ってあんな大変なことを普通に仕事としてできる人なんだ！」っていうことが、私のキャパシティからしてびっくりしてる。
そこから、あんな大変なことを、そんなに苦でもなく…苦っていうか、わんさんが楽しんでやっていること自体も驚き！
それプラス、従業員のことも大切に考えてる、まずその2つで既にめっちゃ尊敬してるのよね。
確かに！
私も以前ミーティングに出させてもらってた時があったけれど、「仕事に関してのストレスは全くない」というようなことを言ってはって、「わんさんのキャパすごいぞ…！」と思った記憶があるよ。
それプラス、日々わんさんがおっしゃることとか、ちょいちょい「そんなこと言うの！？」みたいなこともあって、そういうのでさらに尊敬という感じ。
なので、人としても上司としても尊敬できる人、かな。
なるほど。
ちなみに「そんなこと言うの！？」って具体的にどんなことだったか訊いてもいい？
えっと、カフェのスタッフで「長期間休みをください」とシフトNG日を多く出していた人がいて。
2週間ぐらいの休み希望だったので、私もその子からお休みの理由はざっくりと聞いていたんだけれど、シフトを作る人には共有できていなかったのね。
それをわんさんから指摘されたときに、話の流れから「ちょっとした変化に気をつけよう」みたいな話をしてもらって。
共有の大切さはわかるけれど、「ちょっとした変化」というのは…？
この時のようにお休みをまとまって取る希望があるとか、アルバイトさんが出すシフト希望を見て、 “その人の暮らしをある程度透けて見られるような想像力を働かせよう”っていう。
「この子はトリプルワークしているからこういう感じのシフト希望だね」「この子はいつも有給希望を出していないけれど、今月取得するのは家庭の事情かな？何かあったのかな？」というように、スタッフの暮らしが透けて見えるような想像力を持てたらいいねって。
なるほど、シフト希望を通して一人ひとりの生活も思い浮かべてくれているんだ。
その時は、「え、そんなこと言うの！？」って思って。
基本経営者は、仕事をどれだけやってくれているかが判断基準だと思っていたところがあったから、プライベートがどうこうとか、そんなことまでって。
普通ないよね、経営者の人がそこまで考えてくれているの。
このわんさんの、スタッフの生活も想像してみてっていう視点には、かなりびっくりしたな。
うんうん。
でもそれが伝わっているからか、わんさんにプライベートの相談をするスタッフも多い気がする。
私も夫が転職するときとか、お話聞いてもらったよ。
そうなんだ。
でも、何を相談してもわんさんなりのきちんとした答えが返ってくるのが凄いよね。
わかる！
私、わんさんって人生10回はやっていると思うな。
多分これが1回目のターンではないことに最近気づいてきた（笑）
あら、気づいちゃったか（笑）
『カフェ有鄰庵』を、さらに素敵な場所にしていきたい
行雲に入社してくれて1年半。
社員としてでも、クミさん個人としてでもいいんだけれど、今後の目標みたいなことはあるかな？
私、ゆくゆくは、自分のパン屋をやりたいなって思ってるのね。
だけど今はその前に、『カフェ有鄰庵』をみんなが強みを発揮できる場所にして、チーム力をもっとあげて、さらに素敵なお店にしたい！っていう思いがあるな。
「もっと素敵に」とは、具体的にどんな感じのこと？
私の中で、『カフェ有鄰庵』で一番魅力的だと思うのは、スタッフとか「人」の部分。
具体的には接客なんだけど、生き生きと素敵なスタッフが働いているお店っていうのは魅力的だと思うし、お客さまがもう一回来たいなって思ってもらえるウリに絶対なると思うのね。
いまのカフェにはそういう要素があるので、それをさらに高めていきたいっていうところと、もっともっとお客さんが来てもらえるような仕組みづくりもやって行けたらなって思います。
うんうん、提供するお食事はもちろんのこと、スタッフ自体にファンが付いてくれたら、とっても強いと思う！
そしてもうすぐ、レストランもオープンするよね？
（絶賛準備中！また皆さんには詳しくお伝えします）
※2023年11月に『然味-sami-』として無事オープンしました。
うん。今度できるそのレストランの仕事にも、パン作りや料理を通して関わっていきたいなと思ってる。
最終的には、会社も潤って、みんなも潤っていく、そんな動きを作って行けたらいいな。
個人的には、クミさんが焼いたパンを食べたことがないので、ぜひ食べてみたい！
オープンしたら岐阜から遊びに行きます〜！
人に興味がある人が、行雲には向いていると思う
最後に、リクルーティングページっぽい質問をするね。
クミさんが考える「行雲に向いている人」を教えてください。
うーん、“ 人に興味がある人 ”！
自分自身も含めてっていうところはあるけれど、特に他人に興味がある人っていうのは向いてるかなって思う。
それはなにゆえ思ったの？
行雲ってコミュニケーションをすっごく大切にしてるじゃない？
コミュニケーションって、上辺だけだったらそうでもないけれど、ちゃんと向き合おうと思うとやっぱり人に興味がないと難しい。
ここはちゃんと向き合っていく環境だからこそ、“ 人に興味がある人 ”が向いてるって思うかな。
ほぼ初めましてからスタートした、クミさんのインタビュー。
お話する前に拝見していたお写真では、「おっとりと可愛らしい雰囲気を纏った方」という印象を抱いていましたが、よい意味で裏切られました。
チャーミングな雰囲気はそのままに、言葉の端々に熱量がたっぷり！
書ききれませんでしたが、『行雲』で働く前は、パンの勉強でフランス留学をしたり、「この人のお店で働きたい」という料理人の方にアタックしたりと、とてもエネルギッシュかつ、興味のある方向への舵切りが早い方でした。
その一方で、パソコンが致命的に苦手（本人談）という弱点もあり、そのギャップにきゅん。
90分の間に、クミさんのリーダーとしてのかっこよさと、支えたくなる可愛らしさを見せてもらった気がします。
クミさんありがとうね！
また直接お話しできる日を楽しみにしています。
＜クミさんちょこっとメモ＞
『カフェ有鄰庵』の今の商品で、一番好きなのは『たまごかけごはん』。
実は本人は生卵が食べれない（！）そうなのですが、店長として一番自信を持ってオススメできるメニューとのことで選んでくれました。
